循環器の診察予約日で病院に出かけた。
待合室で待っていると、ひと組の老夫婦が目に入った。
杖をついたおじいさんと背中の丸いお婆さんが、血圧計の前でまごまごしている。
どうやら血圧を測りたいようだ。
背中の丸いお婆さんは、おじいさんの後ろにぴったりくっついた。
何するのだろう?
おじいさんはお婆さんの体に沿ってそろそろと体を沈め、丸椅子に座った。
なるほど!おじいさんは自分だけでは腰かける事ができないのか。
やっと計器に腕を入れ測りだした。
そんなおじいさんをお婆さんは後ろからじっと見ている。
お婆さんの背中は真ん中が凄く曲がっている。
頭が落ちて、体はおじいさんのお世話をする形になっている。
文句も言わずに、なんでもしてあげているのでしょうね。
おじいさんが測り終えるとおじいさんを助け座らせ、今度はお婆さんが測りだした。
おじいさんに尽くしているお婆さんのすがたは感動だ!
80歳ぐらいの老夫婦だけに、ともに生きるのも大変だろうが、美しい姿に乾杯だった。