「鎌倉霊園に行きませんか?」 義妹が誘って来た。
弟の眠る墓だ。
何時も誘ってくれるのだが、体の具合が悪くてドタキャンを繰り返していた。
今回も行けそうだと約束したが、案の定、虚血性大腸炎を起こしてお腹の調子がいまいちだ。
しかしその事は黙って行く事にした。
前日の夕方に出かけ、一晩義妹の家に泊まり、翌日霊園に行く事にした。
夕方義妹に会って”焼鳥屋さん”に行った。連れて行ってくれたのだ。
レバーやネギ間などが凄く美味しい! お腹の事を忘れて夢中で食べた。
義妹とも久しぶりに会ったから、話に花が咲いた。
2時間近く焼鳥屋にいた。
今度はそこを出てカラオケに行った。
義妹も初めて行くお店と言うから、先ずは値段を聞いた。
ところが受付の若い女の子が、物凄い速さで説明する。
ドリンクを付けたら幾らで、ドリンクが一つでなかったら会員になった方がお安くなります。会員には特典が有ります。特典は何々です。会員になりますか?
良く聞けば問うてる事に答えているのだが、早くて殆ど聞き取れない。何だか良く分からない。
お婆さん二人がカラオケに来る事自体が、おかしいのかもしれない。
それでもやっと時間と費用をきめて、番号の付いた部屋に入った。
ところがその部屋は暗くてお互いの顔が良く見えない。TVのように液晶画面の明るさしかないのだ。
選曲も昔は本から選んだのだが、今ではタッチパネルで検索しなければならない。
曲名は何だっけ?歌手は誰だっけ?とっさに出てこない。
意外に思い出せないものだ。
やっと思い出して入力しようとしたら、今度はタッチパネルの画面が動かない。
これ、壊れているの?
不慣れな二人は苦労した。
一曲目を歌い出すまでに2,30分は掛ってしまった。
でもその後は大声を出して歌い、楽しんだ。